雄you遊

127号

巻頭言

初心忘るべからず

社長 小島 兼隆

2022/07/01

 コロナ感染者数の低下とともに、いろいろな事がリモートからリアルへ、元の形に戻りつつある。マスク着用など感染対策をしながら、大人数での懇親会も約3年ぶりに再開された。当社においても、参加者の事情を考慮しながら、社内研修旅行や誕生日会、安全衛生大会や雄栄会・雄和会の総会など、出来るだけコロナ前に戻そうと考えている。今までコロナ禍の中で、いろいろな事が押えられていたが、制限の緩和が進むことでコロナ前の日常に戻りつつある。そのような変化を前に、我々はどのように対応したらよいのだろうか。全てを元に戻せばよいのか、今一度、考える必要があるのではないだろうか。
 「初心忘るべからず」という格言がある。人生にはいろいろな意味で転換期や区切りがある。この区切りの前で、誰もが立ち止まり、振り返り、気構えを持って乗り越え、前に進もうとするが、この時の気構えこそが「初心」である。入社時の心意気とか、仕事に対してのルーティンなど、その人のベンチマークとも言えよう。長い人生の中で、仕事の事や、プライベートな事など、公私を問わず転換期や区切りにぶつかり、誰もが立ち止まり、迷い始める。そのような時、一度初心に帰り、考え直し、自分自身を見つめ直し、周囲にも意見を求め、次のステップに向かい、より良い選択をすることが大切だ。初心に帰る事は、決して後戻りや仕切り直しではない。経験を積み、良かったことは継続し、反省すべきことは改善する、前進のための振り返りである。
 我々は、制限をかけられた時、それに従うことは比較的容易に受け入れるが、逆に、制限が解除され、元に戻れるとしても、なかなかうまくは戻れない。今年のキーワードを「出発=スタート」としたがコロナ後の時代、次のステップへ向いスタートする今こそ、「初心忘るべからず」を思い出し、自分を見つめ直す機会を取り入れてみたらどうであろうか。初心に帰る機会が多ければ多いほど、存在感のあるたくましい人間に育っていく。

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