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雄you遊

118号

巻頭言

「想定外」を「想定内」に変える

社長 小島 兼隆

2020/04/01

 新入社員の諸君、入社おめでとう。
90周年という記念すべき年に入社する君たちを、心から歓迎する。
我々は新しい仲間と共に、次の目標に向かい『飛躍』していこう。


 昨年10月、業界の全国大会が台風19号の北上する前の仙台で開催された。多くの参加者が帰京を急ぐ中で、仙台支店の懇親旅行を企画していたため、そのまま旅行を続けていた。幸い、旅行は台風の先を行く形で無事に終わったが、帰りの新幹線が運休となり、いつ復旧するのかわからない中、ようやく帰ることができた。そのことをある経営者に話したら、危機管理の甘さを指摘された。史上最強の大型台風が迫る中で、情報判断のミスと、なにより「自分は大丈夫」という気持ちからの行動は、思いもよらない状況に陥って初めて「しまった」と思い、後悔の念にかられる。人はよく、このことを「想定外」だと片付けるが、良く考えると起こるべくして起きた事であり不可抗力だったでは済まされない。
 それぞれの立場で中身は違うものの、想定外の出来事は、常に降りかかる。特に、新しい事を始めた時や新しい環境になった時は、いろいろな場面が起こり得る。その様な時、「想定外」を「想定内」に変えていくしかない。必要な事は、遭遇した場面に対する敏しょう性だ。慌てることなく状況を把握し、危うさをいち早く嗅ぎ取る力が必要となる。さらに、過去の経験にとらわれず、新しい情報の収集や周りからのアドバイスを取り入れる柔軟さも大切だ。自分と異なる立場の人にこそ、想定外は見えやすい。一人ひとりに違いがあるが、できることを確実に行い、想定内に変えていこう。
 この数年、英国のEU離脱、米中貿易摩擦、温暖化による異常気象など、百年に一度と言われる出来事が頻発している。年が明けてからの新型コロナウイルスの感染拡大は、まさに想定外の出来事であろう。ただ、想定外と片付ける前にやらねばならない事がたくさんあるのではないだろうか。情報を集め、知恵を出し合い、冷静に迅速に善後策を見出せるよう、地に足のついた対応が問われている。

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