雄you遊

107号

巻頭言

悩んでも道は開けず

社長 小島 兼隆

2017/07/03

 景気の拡大と共に、人手不足が深刻な問題となり、宅配業界などサービスの見直しを余儀なくされたところも出てきた。政府の「働き方改革の実現」も重なり、企業にとって、仕事の合理化と担い手の育成及び確保は、待ったなしの状態だ。特に、社員の採用では、厳しい状況となっているが、この時期特有の問題として、新しい仕事や職場環境に馴染めず、悩み始める社員が出てくることだ。

 人間は、仕事や家族のことなど、いろいろな悩みを抱える。問題が発生すると、どう解決するか対策を考えるが、そのやり方が正しいのか間違っているのかは、やってみないとわからない。成功すればよいが失敗すると、また、悩み始める。解決してもゴールではなく、次の悩みが発生する。そのためか、往々にして悩むことがくせになってしまう。
 では、どのようにすれば悩まずに済むのであろうか。かつては、「悩む暇があるくらいなら、一生懸命仕事に打ち込め」とか、「覆水盆に返らず。取り戻せないことを悩むより、次のことを考えろ」などと言われたものだが、現代社会では、かえって逆効果になる。

 かの一休禅師は、「この先、どうしても手に負えぬ深刻な事態が起きたら、この手紙を開けなさい」と、弟子たちに1通の遺書を残した。数年後、弟子たちに今こそ師の知恵が必要という重大な局面が訪れた。開封した弟子たちの目に映った言葉は、「大丈夫」「心配するな」「なんとかなる」。つらいけど、少しでも精神的にゆとりを持ち、落ち着いて対応すれば、その悩みは必ず乗り越えられ、笑顔で話せるときがやってくる。
 「道に迷うことは道を知ること」という諺がアフリカにある。人に教えてもらった道を進むだけでなく、迷いながら、自分で見つけた道こそ本当の道を知ったことになる。「人生に迷うことは人生を知ること」「仕事に迷うことは仕事を知ること」。
 悩んだ時こそ、悩むことは当たり前と考え、立ち止まって見渡し、いつもと違う方向に進んでみると、新しい解決の糸口が待っているかもしれない。
 「悩んでも道は開けず」結局、悩まないことが、悩みから脱却するための最善の方法となる。

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